丸洗いの詳しい説明
丸洗いの詳しい説明
シミ抜き前 シミ抜き後
「当店の丸洗い加工について、写真を例に説明します。」
1.豚毛のブラシで、特に衿・袖口・裾を中心に、縫い目、お尻、上前など、
汚れている部分を全て洗います。溶剤は、油性系の洗剤を使います。
いわゆるドライクリーニングを、豚毛のブラシで、手作業にてきもの全体に行うことになります。
2.全体をブラシで洗った後、一枚ずつネットに入れて、3分間クリーニング機械で溶剤をきれいに落とします。
3.自然乾燥で乾かします。他店では、乾燥機を使っているところも有りますが、
生地を傷めないためにも、必ず自然乾燥で乾かしています。
4.ドライでは、左側の写真のような黄変したシミは抜けません。
ドライで落ちるシミ汚れは、人間の皮脂、手垢、ほこり程度で全体の2割程にすぎません。
残りの8割のシミは、手作業で一つ一つ抜いていきます。
5.黄変のシミは、まず油性部分の有無、タンパク質系の成分の有無を見て、
どちらでもなければ水とマルセル石鹸で下洗いを行います。
その後、アルカリ性の酸化漂白剤で黄変を取り除きます。
更に、アルカリ薬品を酸性薬品で中和した後、水洗いを行います。
6.アルカリ性漂白剤を使いますと、きものの6割程度の品物が
地色や柄の色まで抜けてしまいます。このため、染色補正の技術が必要となります。
この地直し(染色補正)の技術が無いときもののシミ抜きはできません。
余談ですが、この為に普通のクリーニング屋さんはきもののシミ抜きをしないのです。
7.汗ジミ抜きは、汗をかきやすい部分の汗の成分を、水と石鹸で落とします。
8.シミ抜き剤で万能薬品は現在有りません。
したがって、シミ汚れの状態によって、一つ一つの過程の積み重ねにより、
シミを抜いていくことになります。
多くの呉服店や悉皆店(しっかいてん)に「丸洗い」を頼んだ場合、普通は油性系溶剤を使い機械洗浄します。
全体の軽い汚れは落ちますが、目立つシミ汚れは落ちない場合が多く、また汗の成分は抜けていません。
この為 別途、シミ抜き代が必要になります。
当店の「丸洗い」は、シミ抜き、汗ジミ抜きを含んでいます。
「丸洗い」の代金で、シミ抜き、汗ジミ抜きをしますので、お得価格です。
「お手入れ」は、当店提携の職人歴30余年の悉皆専門店で行っています。
[丸洗いの価格]
きものの種類 | 価格(税別) |
---|---|
黒留袖・色留袖 | 10,000円 |
振袖 | 10,000円 |
訪問着・附下げ | 8,600円 |
色無地・小紋・紬 | 7,600円 |
大島紬・結城紬 | 8,600円 |
冬喪服 | 8,100円 |
道行コート・羽織 | 6,700円 |
長襦袢 | 5,000円 |
長襦袢(振袖用) | 6,000円 |
単訪問着・単附下げ | 7,600円 |
単色無地・単きもの | 7,200円 |
絽喪服・単喪服 | 7,600円 |
単コート・単羽織 | 6,000円 |
絽長襦袢・単長襦袢 | 5,000円 |
袋帯 | 6,000円 |
名古屋帯 | 6,000円 |
掛衣裳(着物と襦袢) | 8,100円 |
袴(はかま) | 8,000円 |
当店の「丸洗い」は、シミ抜き、汗ジミ抜きを含んでいます。